今更聞けない「PFAS」について徹底解説!本当に浄水器で除去できるの?

そもそもPFAS(ピーファス)とは?
①PFASとは何か
PFAS(Per- and PolyFluoroAlkyl Substances:ピーファス)とは、炭素とフッ素が結びついた有機フッ素化合物の総称です。非常に多くの種類があり、PFASの中には、撥水・撥油性や熱・化学的安定性などの性質を持つものがあります。
その性質から、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)などは、泡消火薬剤、界面活性剤、繊維・革・紙・プラスチックなどの表面処理剤として、さまざまな用途で使用されてきました。
PFASの中には自然界で分解されにくい性質を持つものがあり、環境中に長く残ることから「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」と呼ばれることもあります。また、一部のPFASについては健康への影響が懸念されており、国内外で規制や対策が進められています。
②PFASは何が問題になったのか
先ほども紹介したように、PFASの中には自然界で分解されにくい性質を持つものがあります。また、一部のPFASについては健康への影響が懸念されており、国内外で規制や対策が進められてきました。
特にPFOSやPFOAについては、環境中での残留性などが問題となり、日本でも製造・輸入などが段階的に規制され、現在では原則として禁止されています。
また、近年では日本各地の河川や地下水などからPFOS・PFOAが検出されたことが報道され、「PFAS」という言葉を多くの人が知るきっかけとなりました。水道水への影響についても関心が高まり、PFASは環境問題だけでなく、私たちの身近な「水」に関する問題として注目されるようになっています。
さらに、2026年4月からは、PFOS・PFOAの合算値が水道水の水質基準項目に追加されました。これにより、水道事業者には水質検査の実施や基準値を満たすための管理が求められるようになっています。
このように、PFASは「分解されにくく環境中に残りやすい」という性質や、一部の物質について健康への影響が懸念されていることから、国内外で規制や対策が進められてきました。そして現在では、水道水の安全性を考えるうえでも重要なテーマの一つとなっています。
浄水器でPFASは除去できる?
①浄水器ならどれでも除去できるの?
すべての浄水器がPFASを除去できるわけではありません。浄水器にはさまざまな種類があり、使用されているろ材や構造によって、除去できる物質や性能は異なります。
また、使用しているろ材の性質上、PFASを除去できる可能性がある場合でも、実際にPFASに対する除去性能を確認する試験をおこなっていなければ、「PFASを除去できる」とは一概に言えません。
そのため、PFAS対策を目的として浄水器を選ぶ場合は、「PFAS対応」「PFAS除去」などの表示があるかを確認することが、まず分かりやすいポイントです。
さらに、表示だけで判断するのではなく、PFASのどの物質を対象としているのか、どのような条件で試験がおこなわれたのか、総ろ過水量はどのくらいなのかなど、具体的な性能についても確認しておくと安心です。
「浄水器だからPFASを除去できる」と考えるのではなく、製品ごとの性能を確認して選ぶことが大切です。
②PFAS対策で浄水器を選ぶときのポイントは?
PFAS対策を目的として浄水器を選ぶ場合、単に「PFASを除去できる」と書かれているかだけでなく、具体的な性能や使用方法まで確認することが大切です。ここでは、浄水器を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
1.PFASの除去性能が明記されているか
上記でも説明したように、浄水器によって除去できる物質や性能は異なります。
サイトや製品カタログなどに「PFAS対応」「PFAS除去」といった表示がされているかを確認し、さらにPFASの中でも「PFOS」「PFOA」など、どの物質を対象とした除去性能なのかを確認しましょう。
「PFAS」という表記だけで判断せず、具体的にどの物質を対象としているのかまで確認することがポイントです。
2.試験結果や性能データが確認できるか
PFASに対する除去性能を確認するために、どのような試験がおこなわれているのか、試験結果や性能データを確認できるかどうかも重要です。
試験結果や性能データの掲載場所は販売会社によって異なり、Webサイトで公開されている場合もあれば、資料請求などで確認できる場合もあります。
もし確認したい情報が見つからない場合は、販売会社に問い合わせてみるのもよいでしょう。具体的な試験結果や性能データについて確認できない場合は、PFASに対する性能を判断する材料が少なくなってしまうため、注意が必要です。
3.ろ過水量やフィルター交換の時期は明確か
浄水器のフィルターは、除去する物質によって除去能力や使用できるろ過水量が異なる場合があります。
そのため、PFASをどの程度の水量まで除去できるのか、フィルターの交換時期はいつなのかを確認しておきましょう。
また、フィルターの交換方法や交換にかかる費用なども事前に確認しておくと、購入後も安心して使用できます。
浄水器は設置して終わりではなく、フィルターを適切な時期に交換しながら使用することが大切です。
③浄水器以外でも除去はできるの?
PFASへの対策は、家庭用の浄水器を使用する方法だけではありません。
例えば、ウォーターサーバーやミネラルウォーターなど、水道水とは別の水を飲用水として利用する方法があります。ただし、これらはPFASを除去するというよりも、PFASの含有状況を確認した水を選んで利用する方法と考えたほうがよいでしょう。
一方、家庭で水道水に含まれるPFASを除去する場合には、浄水器などのろ過設備を利用する方法があります。
代表的なものとしては、浄水器のフィルターにも使用される活性炭による吸着や、ナノろ過膜(NF膜)や逆浸透膜(RO膜)といった非常に細かい膜を利用して水をろ過する方法があります。
ただし、使用するろ材や膜の種類、処理方法によってPFASの除去性能は異なります。そのため、「活性炭を使用しているから」「逆浸透膜だから」というだけで判断するのではなく、実際にPFOS・PFOAなどに対する除去性能が確認されているかを確認することが大切です。
このように、PFASへの対策にはさまざまな方法があります。家庭でどのように水を利用するのかを考えたうえで、自分の生活に合った方法を選ぶとよいでしょう。
PFASについてよくある質問
- 現在も水道水にはPFASが含まれているのですか?
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はい。水道水からPFOS・PFOAなどのPFASが検出される場合があります。
ただし、2026年4月1日からPFOS・PFOAの合算値50ng/Lが水道水の水質基準として設定されました。これにより、水道事業者には水質基準を守るための管理や水質検査が義務付けられています。
そのため、「現在の水道水にはPFASが一切含まれていない」ということではありませんが、PFOS・PFOAについては基準値を超えないように管理されています。
- PFASは人体に影響がある物質ですか?
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PFASには非常に多くの種類があり、物質によって性質や健康への影響に関する知見も異なります。
その中でも代表的なPFASであるPFOAとPFOSについて、国際がん研究機関(IARC)は、PFOAを「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」、PFOSを「グループ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)」と分類しています。
ただし、IARCの分類は「発がん性があるかどうか」という危険性(ハザード)を評価したものであり、どの程度の量を摂取すると健康への影響が生じるのか、あるいは実際の生活環境でどの程度のリスクがあるのかを直接示すものではありません。
PFASについては現在も研究が続けられており、こうした科学的な知見をもとに、国内でも水道水の基準設定などの対策が進められています。
- PFASは煮沸すれば除去できますか?
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いいえ。PFASは、カルキ(残留塩素)と同じように煮沸すればなくなるわけではありません。一般的な煮沸ではPFASを除去することはできません。
また、水を沸騰させると水分の一部が蒸発するため、水に残ったPFASが濃縮され、場合によっては濃度が上昇する可能性もあります。
そのため、PFASを除去することを目的として水道水を煮沸することは、適切な対策とはいえません。PFAS対策を考える場合は、PFASへの除去性能が確認された浄水器などを利用する方法があります。
- 浄水器でPFASは完全に除去できますか?
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いいえ。浄水器を使用したからといって、PFASを完全に除去できるとは限りません。
PFASの除去性能は、浄水器の種類や使用しているフィルター、対象となるPFASの種類、ろ過した水量などによって異なります。
そのため、「PFAS対応」と表示されているかだけでなく、PFOS・PFOAなど対象となる物質や除去率、総ろ過水量など、具体的な性能を確認することが大切です。
また、フィルターは使用するにつれて除去能力が低下するため、メーカーが定めた交換時期や使用水量を守って適切に交換することも重要です。
まとめ
PFASは、自然界で分解されにくい性質を持つ有機フッ素化合物の総称で、その中でもPFOSやPFOAは、これまでさまざまな用途で使用されてきました。
近年では、環境中からPFOS・PFOAが検出されたことなどをきっかけに、PFASが水道水にも関係する問題として注目されるようになりました。2026年4月からは、PFOS・PFOAの合算値が水道水の水質基準項目に追加され、水道事業者による水質検査や管理が求められています。
家庭でPFASへの対策を考える場合、浄水器を利用する方法もその一つです。ただし、すべての浄水器がPFASを除去できるわけではありません。PFASへの対応を考えて浄水器を選ぶ場合は、対象となる物質や除去性能、試験結果、総ろ過水量、フィルターの交換時期などを確認することが大切です。
また、PFAS対策には浄水器以外にもさまざまな方法があります。「PFASが心配だから必ず浄水器を使わなければならない」ということではなく、現在の水道水の状況やご家庭での水の使い方を考えたうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
もし飲み水だけでなく、料理や洗面、入浴など家中で使用する水についても浄水したい場合には、セントラル浄水器という選択肢もあります。
PFASについて正しく知り、必要な対策を考えることが、安心して水を使うための第一歩といえるでしょう。




